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ヨムヨムエブリデイ

記憶の放物線

f:id:yomunel:20200327195035j:plain:leftコロナのせいで勤務シフトがわちゃわちゃなり、通常休みも返上せねばならなかったほどなのに、3月末で本年度の有給休暇の残りが全部チャラになるなんてあんまりじゃね?と訴えていたら、27日28日は有給使って休んでよろしいという運びになり(言ってみるもんだ)、29日は日曜なのでなんと三連休に。おうち大好きのヒキコモラーなので、外出自粛は大歓迎だ、というか普段の休日とほとんど変わらない。

朝、ゴミを出したついでに少し足を延ばして近所の公園に桜を見に行く。ほぼ満開。曇り空の桜もいいなあ。誰もいなくて、静かな桜。
あとは、積読本のあばれ読み。疲れた頭でもちょこちょこ読めるエッセイ集に手が伸びる。春日武彦『猫と偶然』、田尻久子『橙書店にて』、北上次郎『息子たちよ』。まだ明るいうちから風呂に入って、夕飯を食べて、もういつでも寝られるという段取りになってから、テレビを見たり、本を読んだり、ダラダラする気持ちよさ。次の日休みだから、なんなら眠らなくてもいいという選択肢だってある。

『息子たちよ』は20年間、日曜日の夜しか家に帰らなかった父親が、その息子たちへの思いを、本の紹介を絡めながら綴ったエッセイ。感傷的でウェット。「20年間、家に帰らなかった」で始まるのだけれど、いやその間、奥さん大変だっただろうなと、ずっと奥さんのことを考えながら読んでいた。はっきり思い出せないが、本と身辺雑記を絡めたエッセイが好きになったのは、本の雑誌チルドレンだった頃に北上次郎目黒考二)を読んだのが始まりかもしれない。取り上げられている本が古びてしまうのは仕方がないけれど、『感情の法則』や『記憶の放物線』はたまーに読み返したくなる。