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豚まん

快晴。風が冷たく、キーンとする寒さ。午後、関西旅行から戻ってきた友人と待ち合わせ。551の豚まんと焼売をもらう。明日の夕ごはんは焼売で決まり。コートを着て、マフラーに顔を半分埋めながら冬の公園を歩きまわるのが気持ちよかった。かばんの中には加藤典洋『大きな字で書くこと』(岩波書店)という小ぶりの本。待ち時間と帰り道に少しずつ読む。「!」と「ひらめく」よりも「あらーっ」とか、「あらら~」というような形でやってくる覚醒のほうが深いということ。(p.108)

fuzkueというお店には、福利厚生本として、毎月従業員が希望する本を一冊買ってもらえるシステムがあるようで、ブログにアップされる「今月の福利厚生本」のコーナーを楽しみに読ませてもらっているのだが、町田康『浄土』(講談社文庫)や 宮田珠己『いい感じの石ころを拾いに』(中公文庫)、メルヴィル『白鯨(中)』(岩波文庫)などが紹介されていると、え~文庫本なの?それでいいの~?と思ってしまう。いや全然かまわないし、本人がよければ外野がつべこべいうことではないのだけれど、せっかく買ってくれるのだから、文庫は自分で買い、高い単行本を買ってもらえばいいのにと思う。
もし自分だったら(上限金額が決まっているのかは知らないが)、ウィリアム・ギャディス『JR』8800円とか『クレーの日記』7920円だとか『ナボコフ・コレクション 賜物 父の蝶』6270円とかにするかも。でも、あいつは高けえ本ばかりをリクエストしやがるけしからん奴と思われても困るので、まあ2000円前後の単行本にしとくのが無難かな、というようなことを欲の皮がつっぱった頭でガツガツ考えている。自分がもらうわけではないのにね。そんな損得勘定抜きで、文庫だろうと何だろうと単純に自分の読みたい本をリクエストしている若者たちがスマートだ。何か爽やかな風に吹かれたような心地がする。

Twitter文学賞や日本翻訳大賞がお祭りみたいでたいへん愉快。Twitter文学賞に投票したくてアカウントを作ろうと思いながらもうずるずる10年がすぎてしまった。結局投票できずじまいでした。でも、10年間とても楽しませてもらった。