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ヨムヨムエブリデイ

トゥラッタッタ

土曜日は仕事、昨日は友人と会った。今日はもう何があっても家から出んぞ。
今期の朝ドラを見始めて5か月近くたつのに未だに主題歌の「もらい泣き」と「あなたとラッタッタ」ぐらいしか聞き取れない。日本語がわからない人には、日本語はどのような音の響きで聞こえるのだろうというのが謎で、でも自分は意味がわかっちゃうから日本語がわからない人の耳になることができない。この歌を聴いているとその耳を体験できるので、字幕表示にすれば一発で歌詞はわかるのだろうが、あえてそうしない。わからなさを楽しんでいる。一度自転車に乗れたら、乗れないときには戻れない。
窓の外は鉛色の空。時折、雪がちらつく。こたつにもぐって、『ある男』(文藝春秋)を読んだ。平野啓一郎にはちょっと苦手意識があるのだけど、面白かった。あと佐伯一麦『麦の日記帖』(プレスアート)も。冷凍うどんで具だくさんの鍋焼きうどんを作る。ここのところ何かに追いまくられているような毎日だったから、あたたかい部屋で、本を読んで、食べたいものを食べて、ゴロゴロして幸福な一日だな、と思った。

幸福は抵抗をやめた降伏の甘い敗北抜かれたる牙  九螺ささら(『神様の住所』より)

何に降伏したのかはわからないのだけれども、降伏感はいつも感じていて、だから幸福なのかもしれないね。